筑豊地方唯一の村、緑あふれる清廉な赤村で創作活動を展開する浦野勝広さんの作品。
元版はA3版で製作されたものを、一眼レフカメラで撮影後、A1サイズ(594×841mm)に拡大印刷したものをご提供します。
切り絵師浦野さんの柔らかなタッチが、独自の世界観を生み出し、お部屋や空間に癒しを与えます。
ご家族や親戚をはじめ、目にする人を和ませる切り絵の一枚を、プロ仕様の写真印刷技術で引き伸ばしました。和やかな雰囲気づくりにいかがでしょうか?
(作品のストーリー)
むかし、むかし、のことです。
ある村に『花若丸』という男の子がいました。花若丸には、人が見えないものを見えたり、夢で見たことが本当になったり、とても不思議な男の子でした。
花若丸はある夜、不吉な夢を見ました。花若丸のおっとうと、おっかぁが流行病にかかって死んでしまう夢です。夢で見たことは本当になる。花若丸は一生懸命神様に祈りました。
でも・・・神様は花若の願いを聞いてはくれなかったのです。
幼い花若丸はだれ一人、身寄りがいなくなり途方にくれました。お腹がへってもおっかぁはもうご飯を作ってはくれないのです。
夜中に厠へついてきてくれるおっとうもいないのです。悲しくなって大声で泣いてもかまってくれる人はもういないのです。
さみしい夜をいくつかすごした頃、花若の家に天狗がたずねてきました。
天狗は花若に言いました。
ここにいてもさびしいだけだから一緒に天狗の国へ行かないか?お前には不思議な力があり修行すれば死んだおっかぁやおっとうに逢うことができるようになるよ。
「本当に修行をすれば会えるの?」
花若丸の顔が明るくなりました。
―それ以来、もう誰も花若丸をみるものはいませんでした。
※補足
絵に見られる山々は、筑豊地方にある英彦山、日本三大修験と言われる聖地です。
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